ここでは、患者さんやご家族の方が潰瘍性大腸炎についての正しい知識の習得と理解を深めていただくために、詳しくご紹介します。

監修:
医療法人 恵仁会 松島クリニック 福島恒男先生
東京山手メディカルセンター内科・炎症性腸疾患センター 髙添 正和先生

潰瘍性大腸炎ってどんな病気?

大腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍やびらん(ただれ)ができる原因不明の病気です。 英語ではUlcerative Colitis(UC)と呼ばれます。主な症状は、血便、粘血便、下痢や腹痛などです。炎症は、多くの場合直腸から始まり、大腸全体にまで広がることがあります。また、長期にわたり良くなったり、悪くなったりを繰り返します。

厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班)
一目でわかるIBD 炎症性腸疾患を診察されている先生方へ 第二版 より作図

いつ発見されたの?

医学の歴史の上では、1875年にWilksとMoxonが、重症下痢の患者さんを“原因不明の潰瘍性大腸炎”として報告したのが初めだと考えられています。わが国では、1973年より厚生省・潰瘍性大腸炎調査研究班が発足しました。その後、現在の難治性炎症性腸管障害研究班となっています。1975年には、厚生省特定疾患に認定されました。

病気の原因はなんですか?

潰瘍性大腸炎の潰瘍をおこしている大腸粘膜では、多くの白血球(顆粒球やリンパ球)が集まり、炎症が持続しています。すなわち、免疫システム(外敵から体を守る白血球からなる防御システム)が異常に働き、自分自身の腸管粘膜を外敵と認識し、攻撃して破壊するという状態が続いています。

このような免疫システムの異常がどのようにして起こるかは不明です。現在のところ、細菌やウイルスにより引き起こされる感染説、欧米の白人に患者さんが多く、ファーストフードや乳製品、肉類中心の西欧型食習慣に伴い増加することから、食事が関与しているという食事説、家族内に何人もの患者さんがいる家族があることから、遺伝的要因が関連することが考えられていますが、これらの要因が重なっておこっているものと考えられています。

発症年齢は?

初発時の年齢は、15歳から35歳までが多く、発病率に男女差はありません。
発症年齢は、男女とも26~30歳に多く、20歳代を中心とした若年者に好発します。しかしながら、 小児や50歳以上の方にも発症することがあります。

難病情報センターホームページ(2018年7月現在)から引用

患者さんの数は?

潰瘍性大腸炎の患者数を厚生労働省特定疾患医療受給者証所持者数でみると、平成28年度で167,872人でした。2015年以降に減少した理由は、2015年より一部の軽症者が同医療受給者証の発行対象から外れたためです。世界的にみると欧米諸国を中心に患者数が多く、北欧やアメリカの白人、ユダヤ人に特に多いといわれています。

厚生労働省 衛生行政報告例 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数、登録者証所持者数 より作図
2010年度のデータには、東日本大震災の影響により、宮城県及び福島県が含まれていない。

公的機関の潰瘍性大腸炎に関する情報サイト

難病情報センター:http://www.nanbyou.or.jp/
医療情報サービス Minds(マインズ):http://minds.jcqhc.or.jp/

潰瘍性大腸炎

患者さんやご家族の方が潰瘍性大腸炎について
理解を深めていただくための冊子です。

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